個展「リアル?」 / Solo exhibition「Is this real?」

 私は主に紙と水性顔料マーカーを用いて制作しています。それらの画材を使用している理由は、私は1 枚あたりの作品を短時間 で描きあげることを重視しており、これを実現できる最適な画材が紙とマーカーであるためです。また、最近私は矩形の中をどのように作り込んでいくのかということをさほど深く考えていないことも理由の1つです( どのように作り込んでいくのかを全く考えていないわけではありません。何をどのように描くのかということについては最低限考えますが、描きとしては特に迷いもなく 一気に紙にマーカーで殴り描きをするように描かれているように見えるかと思います)。矩形の中をどのように作り込むのかということよりも、むしろ作品が作品の外側の環境とどのように繋がっているかということに関心があります。鑑賞者が作品を観た際、 彼らの認識を作品の外側—例えば作品同士の関係性の中で見えてくる広がり—に広げていきたいと考えています。そういった意味 では私はいわゆる平面作品を描いているというより、私の周囲の環境から私が受け取った何らかの事柄を象徴しているシンボル的 なモノを作っている、と言った方が適切かもしれません。紙に描き、ほとんどの作品に紙の白地を残している理由としても、作品の厚みがほとんど消え作品が壁と地続きになっているように見えることで、作品が周囲の環境と地続きであるように見せたいと考えているからです。  

 モチーフは私が旅先で撮影した景色の写真です。制作をする上で何らかの具体的な手がかりが欲しいので、写真を用いています。また作品とその周囲の環境との繋がりを考える上で、現時点で最も適切なモチーフが景色であると考えています。制作の際は写真 を撮影した現場で私が体験した空間の広さや気温、湿度などを想起しながら作っていますます。作品の比率は写真の比率に合わせています。

I BUILT MY SITE FOR FREE USING